「南極新聞」「ソラ」「真空管」を複製
東近江市が運営する「ガリ版伝承館」と「西堀栄三郎記念 探検の殿堂」が保有する「南極新聞」「ソラ」「真空管」を当社が複製しました。「南極新聞」は、南極観測隊が情報共有とコミュニケーションのため観測船内で発行された新聞で、昭和30年まではガリ版で印刷していました。また、「ソラ」「真空管」は、西堀榮三郎が開発した真空管(ソラ)の使用方法説明書と組立作業教本で、大変貴重な資料です。

地域の文化財を守り、受け継ぐ
ガリ版と南極と東近江市
「ガリ版伝承館」は、東近江市にあるガリ版(謄写版)印刷を伝承する施設です。米国で発明され商品化された謄写版技術を日本に初めて持ち込んだ堀井新治郎父子の東近江市にある本家を修復して、1998年4月に開館されました。
昭和30年までの「南極新聞」は、堀井新治郎父子が南極観測事業に寄贈したガリ版(謄写版)機材で印刷し発行されていました。「南極新聞」は、第1次隊の時代から現在も続く日本隊独自の伝統となっており、隊員や乗組員にとって日々の生活を彩り、観測活動を支える重要な情報源となっています。

ガリ版伝承館
西堀榮三郎と東近江市
第1次南極観測隊の副隊長兼越冬隊長で有名な西堀榮三郎は、東京電気(東芝)在職中、海軍の要請を受けて真空管「ソラ」を開発し、材料不足の状態でも大量生産できるように、細かな部分に至るまで製造マニュアル(「ソラ」使用方法説明書、「真空管」組立作業教本)を作成しました。
東近江市は、西堀榮三郎の祖父の家があった近くに「西堀栄三郎記念 探検の殿堂」を1994年8月に開館し、さまざまな企画・展示を行っています。今後は、東近江市全体の資料アーカイブ事業の拠点施設としての役割も兼ねて運営する計画になっています。
私たちは、本物を守りながら、大切な日本の文化を継承することを使命に活動しています。東近江市の活動にご協力できたことを大変嬉しく思います。

上段:「ソラ」「真空管」(複製) 西堀栄三郎記念 探検の殿堂にて