伝統文書は”遠くから観るだけ”から”手元で触れる”時代へ
富士フイルムビジネスイノベーションジャパンは、複製可能な伝統文書データを活用し、より多くの皆様へ複製品を作製するサービスを提供するために文化財アーカイブスを開設いたしました。厳重に管理、保管されている本物を守りながら、大切な日本の文化を継承する活動をご支援いたします。
当社は、これまで「時を超えた価値あるコミュニケーション」として、多くの伝統文書の複製物作成による社会貢献活動を実施してきました。この度、伝統文書所有者の皆様方のご協力も得て、さらに未来へつなぐ活動に広げて行くために本取り組みを始めることにしました。このさらに未来へつなぐ活動のスキームがグッドデザイン賞を受賞しました。詳細はこちらからご確認ください。
リアルな伝統文書複製物により、多くの人が手に触れる等の幅広い活用を実現し、先人の知恵や重要なメッセージが読取れる、その価値をご提案させていただきます。
複製古文書作製の始まりは京都から
奈良屋杉本家様は江戸中期「奈良屋」の屋号で創業し栄えた呉服商で、京町屋の家屋は初めて国の重要文化財に指定され、今でも暮らしながらその文化財を財団法人奈良屋記念杉本家保存会が守り伝えています。この杉本家に伝わる「歳中覚」(さいちゅうおぼえ)は、江戸時代から続く京都の商売の習慣やしきたりを書き留めた備忘録で、献立から年中行事の作法に至るまで、細かく記されています。今でもこれを参考に江戸時代の祭事研究や料理再現に用いられています。「このような市井(しせい)の古文書こそ、京都1200年の歴史を支えてきた文化財だ。ここは先人の工夫や美意識が詰まっている。後世にしっかり伝承しよう。」から始まりました。

時を越えて 本物を伝えよう
「当社の最新技術を用い、伝統文書の複製・復元の活用により失われつつあるかけがえのない文化の発掘 開示されていない伝統文書の公開 先人の教え・知恵・技・思いや気持ちの伝承 時を超えた価値あるコミュニケーションを推進し、文化の伝承に貢献する」ことです。これまで神社仏閣、市町村、大学、企業などに250点以上の複製品やデジタルでの活用を提供しており、現在もデジタル複合機と当社の最新技術により、「観る・触る・創る」、日本の伝統文化伝承と活用において新たなコミュニケーションを提案しております。(復元した伝統書籍:300冊/巻、復元した一番古い伝統文書:約788年前鎌倉時代)

複製作製サービス、複製品提供販売の目的
- 歴史文化の研究・教育に役立てていただくため
- 人々が実際に見て、触って、ときに教材などとして活用いただくため
- 所有者・学芸員・資料館様へ文化財活用のための経済的なご支援をさせていただくため
継続的な社会貢献への取り組みの考えが複製作製サービス、複製品提供販売の目的のベースになっています。この考えがグッドデザイン賞の受賞に繋がっています。
当社の複製作製サービスの特徴



持続可能な開発目標(SDGs)への支援

私たちは、複製可能な伝統文書データを活用し、より多くの皆様へ複製品を作成するサービスを通じて、教育・地域経済・技術革新・地方創生などに貢献し、持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
複製サービス カタログのご紹介
複製サービスのカタログをダウンロードできます。ご自由にご覧下さい。
ご利用方法
ご質問や確認事項はお問い合わせフォームに必要事項をご記入いただき、メッセージ欄に(例えば、伊勢物語カルタ希望、制作料は?など)お気軽にお問い合わせください。
納期や必要な経費などをしっかり打ち合わせした上で制作にかかります。
最近のトピックス
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お知らせ
複製品だからこそ活用できる(嵯峨薬師寺様の取り組み)
嵯峨薬師寺(通常非公開)は、清涼寺境内にある嵯峨天皇の勅願寺です。その嵯峨薬師寺に伝わる薬師堂縁起(巻物2巻)に描かれている絵画部分を巻物1巻にして複製品を作製しました。 -
お知らせ
龍谷大学「企業のCSR実践演習」に出講
原本に迫る複写技術の研究や開発を重ねることで目的に応じた伝統文書の複製・復元を実現してきた活動内容を教育現場で紹介しています。 -
お知らせ
宮中の雅な食文化を今に伝える
萬亀楼(まんかめろう)は、御所ゆかりの儀式である生間流式包丁(いくまりゅうしきほうちょう)を守る有識料理(ゆうそくりょうり)の老舗料亭です。式包丁の儀式が終わった後、お客様に披露される大きな饗宴を記録した巻物や献立の伝書が、日々痛みが激しくなっていることから、当社が複製品を作製しました。 -
お知らせ
滋賀県東近江市に伝わる能面6面の保存活動に協力
東近江市に伝わる、室町末期から江戸中期にかけての貴重な文化財である能面6面を文化財維持管理ため当社が複製に協力しました。 -
お知らせ
複製物を活用して日本文化を伝える
石清水八幡宮の社僧 松花堂昭乗ゆかりの施設である八幡市立松花堂庭園・美術館で、当社が複製した松花堂昭乗の作品を教材にした日本文化に触れる催しがありました。 -
お知らせ
芦生の森を未来につなぐために
水彩画家の平田有加様からのご依頼で、「芦生の森を未来につなぐために」Watercolor解説図録の制作に協力いたしました。