「日本の伝統文化を守り育てる」(鳩居堂様の理念)

伝藤原行成筆仮名消息(国宝:鳩居堂所蔵)を複製

消息とは手紙のことで、仮名消息は仮名で書いた消息(手紙)のことです。この「伝藤原行成筆仮名消息」は、巧妙で変化に富んでおり、散らし書きが優れていると言われています。
藤原行成は平安時代の三跡の一人とされる能書で、日本風の書である和様の書を大成させた人です。「伝藤原行成筆仮名消息」は、平安時代の仮名の美しさを伝える十一世紀後半の名品です。表には恋文が書かれていますが、裏には「三宝感応要略録」(さんぽうかんのうようりゃくろく)という仏教説話集が書かれています。当時は紙が貴重な時代なので、不要になった手紙の裏側に書いたようです。その後、江戸時代後期の復古大和絵の絵師として有名な冷泉為恭は、お寺から「三宝感応要略録」を譲り受けると、冊子をバラし裏の仮名消息を表にして紙に貼り付け二巻の巻物としました。このように、その時代の所蔵者によって表裏を変えつつ、いずれも大切にされ今に伝わりました。
この貴重な平安時代の恋文「藤原行成筆仮名消息」を当社が複製再現し、鳩居堂様本店で公開されています。

伝藤原行成筆仮名消息(国宝:鳩居堂所蔵)複製

鳩居堂 熊谷直久 社長の思い

日本の伝統文化を守り伝え、育てていく

昔から伝えられてきた日本人の生活の知恵や風習、伝統行事やしきたりを、お香や和紙製品、書画用品などの販売を通じて大切に伝え、お客様と共に守り続けていくことが鳩居堂様の理念です。
熊谷社長は、この理念より、国宝もより多くの人が日本の文化や歴史の魅力に触れ、文化財への理解が深まればと思い、「伝藤原行成筆仮名消息」(複製)を公開されています。

伝藤原行成筆仮名消息の一通(複製) 裏には仏教説話が書かれている

単なるギャラリーにしたくなかった

「単なるギャラリーではなく、オブジェ的に伝藤原行成筆仮名消息の複製を展示し、平安時代の香りを聴きながら恋文を見てもらうイメージで展示スペースを作りました。今はネットで大半のものが購入できる時代だからこそ、せっかっくご来店してくださったお客様に満足いただける空間体験にして行きたいです。」(熊谷社長)
展示スペースでは、定期的に三条実美伝授の名香を炊かれるそうです。

私たちは、本物を守りながら、大切な日本の文化を継承することを使命に活動しています。鳩居堂様の理念実現にご協力できたことを大変嬉しく思います。

鳩居堂 本店にあるギャラリー

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