THE OLD MAN & THE DEVILS

THE OLD MAN & THE DEVILS/1886年の紹介

特徴

『宇治拾遺物語』にもみえる昔話「瘤取」の英語版(明治19年6月刊)とスペイン語版(大正3年5月刊)。闇のなかを異形が行列して来るさまは、百鬼夜行とのつながりを思わせる。これらは色刷りの挿絵を持つ、縮緬本と呼ばれる小型の絵本である。縮緬本とは、和紙に印刷してから紙を絞って仕上げた本のことで、皺の寄った表面が絹織物の縮緬に似ているところから名づけられた。

本文を英訳したのは、ヘボン式ローマ字の創始者として知られるヘボン(james Curtis Hepburn)であり、スペイン語訳はエスパダ(Gonzalo J. de la Espada)による。エスパダは1907年に来日し、現在の東京外国語大学でスペイン語教師を務めていたという。出版人の長谷川武次郎は縮緬本を専門に手がけた人物で、「日本昔噺」シリーズ(Japanese Fairy Tale Series)などを出版した。

英語版・明治19年(1886年)、スペイン語版・大正3年(1914年)
英語版・14.8cm×9.4cm、スペイン語版・15.0cm×10.2cm

作製された時期

英語版・明治19年(1886年)、スペイン語版・大正3年(1914年)

所蔵

国文学研究資料館 所蔵

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