春日懐紙

春日懐紙の紹介

特徴

春日社を中心とする南都社寺の神官・僧侶らが歌会を催した折の懐紙。各紙、ほぼ29・0×43・5センチ前後。詠者は、縁弁〈えんべん〉(7枚)・中臣祐定〈なかとみのすけさだ〉(6枚)・学詮〈がくせん〉(5枚)・明算〈みょうさん〉(3枚)・素俊〈そしゅん〉(2枚)で、残り2枚は和歌懐紙ではなく書状。

この春日懐紙は、当時の南都歌壇の具体相を窺わせる好資料。また古筆の名物として古来名高く、さらに詠者の一人祐定によって紙背に万葉集が書写されたことでも有名。各紙中央に折り目があり、両端に綴じ穴の痕があるのは、万葉集として袋綴本にされていた頃の名残りである。その本文は「春日本万葉集」〈かすがぼんまんようしゅう〉と呼ばれ重視されているが、懐紙面の鑑賞の妨げになるという理由で多くは削り取られてしまっている。

ほか、春日懐紙に関しては、懐紙面における墨映(他の懐紙の文字が映ったもの。上方の画像・左上の「詠」など)の存在なども最近注目されている。

所蔵

国文学研究資料館 所蔵

国文学研究資料館所蔵 春日懐紙 複製品の紹介で使用している画像は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0国際)のもとに掲載を許諾されています。

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