金春禅竹自筆能楽伝書の紹介
■特徴
(こんぱるぜんちくじひつのうがくでんしょ)金春座の大夫で能作者でもあった金春禅竹の自筆伝書3点。金春家伝来本。『五音之次第〈ごおんのしだい〉』は、20.7×11.2センチの折本で、享徳4年(1455)7月の奥書がある。『五音三曲集〈ごおんさんきょくしゅう〉』は、27.2×20.3センチの袋綴本で、長禄4年(1460)11月の奥書がある。
ともに、引用例曲の節付は朱筆。『六輪一露之記〈ろくりんいちろのき〉他』は、28.0×21.8センチの袋綴本(ただし今は綴じ糸を解いてある)で、「六輪一露之記」「兼良注」「南江宗跋文」「二花一輪」「文正元年和歌」「稲荷山参籠記」「六輪一露之記注(康正2年[1456]正月奥書)」を合写するが、全体が一度に書かれたわけではない。
そのうち第10丁~第30丁は、『歌舞髄脳記〈かぶずいのうき〉』の草稿本の料紙を裏返して書写されている(画像2枚目参照)。この『歌舞髄脳記』草稿本は、従来知られていた精撰本に比して引用された曲名の多いことが特色で、これにより《濡衣〈ぬれぎぬ〉》や《竹雪〈たけのゆき〉》など、禅竹時代における存在が初めて確認された作品もある。
■所蔵
国文学研究資料館 所属
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